GブレイカーのSpecNote

日々の雑記とメモ。スペックがわかるほど量を書いてませんがね。

FF4の変遷

  ご存知、91年にSFCで発売されて以降FF4は移植されまくり、シリーズではトップの作品数の多さ。ゲーム業界全体で見ても稀有な例となっていて、ほとんどのハードでプレイ可能。
 それだけに新規ユーザー獲得も頻繁に行われていて、移植に際してチビチビと改良されたり手を加えられたり、時には妙ちくりんな噂が横行していることもあって、他ナンバーとは少し違う意味でこだわりを持ってるファンが多いのも特徴。

 ソフトの数が多ければ、それだけどれをやっていいか迷うと言うこともあり、新規が2chのFF4スレに相談に来るのは定例化している。というわけで、それぞれのバージョンの特徴を書いて行ってみよう。


SFC版(FF4)
 オリジナル版にして、その完成度の高さが売り。エフェクトアニメーションが速く、短いので戦闘のテンポが非常に良い。当然ロード時間なんてものは無い。PSP版が発売されるまでは、これが起源にて究極とさえ言う人もいた。BGMやSEに関しては、現在でも最高と言われる。
 大きな声では言えないが、有利になるバグ技なども豊富で、あの時代のゲームらしくおもしろい遊びができるのも特徴の一つ。
 Wiiウェアでダウンロード版をプレイ可能。
 
 実はイージー版というのが存在する。こちらは難易度が微妙に下がり、一部のアイテムの名前がドラクエチックになったり、癖の強いアビリティが削除されたりした。結果的には難易度に大差はないらしい。最大の変更点はラスボスのグラフィックが違うことか。
 小学生時代の友人二人が持っていたところを見るに、それなりに普及していた模様。北米版はこれをベースに作られているそうな。
 コレクターアイテムとしては価値は高いが、まぁ欲しがる人はそういないだろうってレベル。


・PS版
 初の移植。後にFFコレクションとしても発売されたことが記憶に残る。
 SFC版の移植でロードとBGMのズレに難点があるそうな。ダッシュが可能になった。他にはモンスター図鑑や、OPムービーが追加されたが、ムービーはFF7レベル。
 PSアーカイブスでダウンロード可能。よってこの一本で、PS1〜PS3PSPPSVと、SONYハードを網羅している。 
 PSPPSVPSP版をプレイできるのでお勧めしないが、据え置きでやりたいならこの選択肢しかない。しかし、追加要素を考慮しないで、流してサラッとやりたいだけなら、これで十分。


・WS版
 FF3をすっ飛ばして移植された。不可能と言われていたができてしまったらしい。
 戦闘背景とマップチップ、歩行グラフィックが書き直され、ダッシュも健在。BGMの評価がそこそこ良いようだが、まぁ現時点では入手するに値しないし、労力もかかる。本体でやる以外にプレイ方法はない。


GBA版(FF4アドバンス)
 大規模な追加要素が入ったのがコレ。
 ラスダン直前からメンバーチェンジ可能、おまけダンジョンを二つ追加、隠しボスにイージー版で使用されたラスボスのグラフィックを使用、ATBゲージ採用、テキストの漢字使用など、ネタが細かい。各種グラフィックもWS版から輸入し、モンスター図鑑も採用。SFC版三作の移植計画一発目にして一番手が加えられた作品だけに、期待値も売り上げも高かった。

 が! 致命的なバグ満載で、行動順がおかしいだの、耐性と特効が入れ替わってるのだの、フリーズするだの、セーブできないだの、セーブがクラッシュするだの、キーレスポンスが悪いだの、売り上げの高さに比例して被害者の数もすさまじさを誇った。私も購入直後、最初にセーブしようとしてできなかったという、ことを味わった。
 そして何より後に密かに「バグ修正版」が流通されたことが話題となった。スクウェア・エニックスに問い合わせると「そんなものはない」と事実を否定しているという話まである。まぁようするにあんまにも酷いんで修正版作ったけど、リコールすると損失も酷いからこっそり流すよ、ってことなのだろう。とはいっても、完全に除去されているわけではなく、設定ミスの修正や致命的なバグの改善くらい。
 ソフト本体にある刻印から、初期版を「E3版」、修正版を「E4版」と呼ぶ。
 アダプターがあればGCに繋いでプレイすることもできる。FF4の歴史の中でも問題作であったが、PSP版の登場まではE4版がオススメされていた。
 しかし――

 
・DS版(リメイク版)
 GBA版の騒動からわずか二年後に、フルリメイク版が発売。
 3Dポリゴン、イベントは一部ボイス付、ゲームバランスの大幅変更、オートモードの採用など、前回のGBA版から短期間での発売となったが、異なる意味で期待が集まった。

 しかし、ゲーム難易度は恐ろしく高く、近年かあるいは全ナンバリングを通して最難とさえ言われることになった。ゲーム上の流れに沿って簡単に説明しよう。
 ゲーム開始した直後のバロン周辺でダイブイーグルの手により石像になってしまうプレイヤーが多発。セーブしてなかったこともあり、再び長いOPを見る羽目になる。
 続くミストの洞窟では芋虫に足を取られ鈍足化、その隙に毒蛾に目つぶしを食らいまくり、行軍は至難。やっとこさ砂漠に到着したと思ったら、デカイ虫の全体攻撃で即死させられるという事態が発生。熟練したFF4プレイヤーは辛酸をなめさせられ、新規プレイヤーは一気に奈落の底へと叩き落とされたのだった。
 2chには「DS版FF4で全滅したらageるスレ」などというスレッドに、レスが多く寄せられたことから難易度の高さがうかがえる。私も何度も全滅した。ラスダンではセーブポイント手前にある宝箱でレッドドラゴンの餌食となり、二時間のプレイが無駄となった。
 他にもスタッフのインタビューと食い違う「SE再現」発言や、BGMのアレンジ、部分ボイス、役者イメージの相違、一部のゲーム部分の設定など、賛否両論な話題があったのだが、致命的なのが、やはりバグの存在であった。
 ギャラリーモードで一部イベントシーンを再生すると、

  エ ン デ ィ ン グ 途 中 で フ リ ー ズ す る (しかもリセットしてもまた起こる)

 さすがにこれがまずかったらしく、サポートに連絡し送りつけると修正してくれるのだが、無くなっているわけではなく同じ条件を踏むと再発する。
 高難易度と進行不能バグのためクソゲーの烙印を押されることも少なくない。GBA版、DS版と続いて致命的なバグを連発してしまったことから、愛想を尽かしたファンもいた。私も半分くらいは、嫌気がさしてはいた。

 ただし、ゲームとしては難易度の高さを歯ごたえの良さと受け取るなら、おもしろい部類に入る。研究しつくしたFF4ファンに応えることも開発前提になっていたため、戦闘は癖が強く、しかし攻略方法が分かれば一気に楽になると言うのは、相変わらず。
 メンバーチェンジこそ無くなったものの、他メンバーからアビリティを受け取り、好きなキャラに覚えさせることができるデカントアビリティシステムや、DS版オリジナル召喚を強化するためのミニゲーム、特徴の一つであったレアアイテム収集のハードルが下がったこと、周回プレイも前提になっているところがあったりなど、やりこみ要素も強く、癖の強さを受け入れられるなら十分おすすめできる。バグも知っていれば回避可能だしね。
 ボイスが付いたことで雰囲気も変わったので、新作として楽しむこともできる。
 最近、解像度の向上とバグ修正、一部調整、難易度切り替え設定が入ったiOS版が配信されたので、そちらでもいいだろう。
 一部ストーリー上の設定変更が気になりはしたが、ゲームとしては私が気に入っている一本である。ロード時間は現代っ子に言わせると長めの部類に入るらしい。これがゆとりか…と言いたくはなる程度だと思う。



・携帯版
 DS版発売直後に、続編であるFF4ジ・アフターが携帯アプリとしてシリーズが配信。全10章近い構成で配信され、後にWiiウェアでもプレイ可能となった。キャラドット絵が渋谷員子氏であることも売りの一つとなった。

 その続編に合わせる形で、携帯版が配信された。GBA版をベースにしつつも、キャラドットが描き直され、各バランスは大きく変更されており、難易度はDS版準拠の凶悪なものとなった。
 私はインターフェース面で携帯電話でゲームをやりたいと思わない人間なので、環境はあるもののやっていないが気になる一本ではある。
 手軽に、けれど手強いゲームをやりたいならおすすめ。ジ・アフターと異なり購入は一本で済む点も大きい。まぁダウンロードに通信費が大量にかかるからパケホーダイなどに加入している必要があるが。
 確認してないが恐らくスマホでもできるだろう。その特性から初心者にはあまりお勧めしない。


PSP
 GBA版をHD画質に対応させるためにグラフィックをリニューアル。続編も初めてパッケージ化して同梱し、さらに続編との間を埋めるおまけシナリオも完備して発売。
 システム的にはDS版にあったオートモードとは違うタイプのオートモードを採用。オート時はゲームスピードが二倍になり、テンポが向上している。
 BGMもSFCのオリジナル版とDS版のアレンジ版を選択できると言う贅沢っぷりと、キーレスポンスも高く、メニュー画面は一瞬で出るという快適っぷりを併せ持つ。2D演出にも力が入っていて、HD画質なこともあって画面も綺麗である。
 GBA版にあった致命的なバグも無くなり、現在においてもっとも完成度が高いと言われる。

 ただし、キャラグラフィックは渋谷氏のものとは異なるデザインだったり、ソフトリセットすると再開まで長いと言った不満点もあり、一部やりこみ派からは難色を示すところも。
 しかしそれらを抜きにしても全体的にテンポがよく快適な事や、バグから解放されたこともあって、評価は高い。新規ユーザーには間違いなくこれをすすめる。 ダウンロード版もあるため、PSVでもプレイ可能というのも大きい。間違いなく決定版であろう。
 今後移植するなら3DはiOS版。2DはPSP版になっていくのではないだろうか。

 まぁ私としては、DS版をもう一回リメイクするなりして“完全版”を出してほしいのだが。
 もしくは続編とか。もはや古典の新解釈を楽しむような境地に至っているので、機械があったらまた出してほしいものだ。
 次の移植はそろそろマイクロソフトハードでもできるようにするXbox one版か、PS3PS4レベルのリメイクかな。この二つが揃えばもう完璧だろう。まぁそんな予算でないだろうけど。
 でもきっとPS4では何かしらのFF4ができるんだろうなとは思う。

 そんな雑感を書きつつまとめ。

 2DでやりたいならPSP版。
 3DでやりたいならiOS版。条件付きでDS版でのプレイをお勧めする。


 さぁ次はどうなるかなFF4。