GブレイカーのSpecNote

日々の雑記とメモ。スペックがわかるほど量を書いてませんがね。

アニメ版考察 吹雪と如月の対比関係

 今日四話放送やないかい! 急がないと笑われる内容になってしまう(今25:30)。まぁ僕はBS11組なんですけどね…。
 
 ざっとまとめブログなんかを斜め読みすると、雑だとか演出が〜脚本が〜なんて意見を目にしますが、私は第三話に関しては脚本・絵コンテ・演出、すべてが完ぺきだったと思っています。
 なのでひとつずつ考察して行ってみましょう。
 
 まず第三話の内容を主人公の吹雪視点で見てみましょう。
 
 新米で自信がない吹雪に仲間たちは色々世話を焼いてくれるんだけど、応え方がわからないプレッシャーで自ら孤立しかけてしまう。しかしかつて自分も同様だったと語る睦月や、赤城に仲間と自分を信じろと教わり迷いが晴れて結果仕事を完遂する――
 
 というもの。Bパートでの吹雪は仕事に集中していて、無駄口は全然叩かない。第一話では「お願い、当たってください!(弱)」が、第三話で「お願い、当たってください!(強)」になっていたのが印象的ですね。
 このように対比関係がしっかり描かれているのが艦これアニメの特徴なのです。これを前提に如月を見ていきましょう。


 第一話から出演している如月ですが、こいつ、実は全然他人と話してる様子がないのです。基本的にいつも睦月が話しかけてて、二話では自分から睦月に話しかけるシーンが一回あるだけです(それも内容は吹雪を心配しているようには見えるが、自分からは吹雪に働きかけようとはしないという距離を置いたもの)。
 

(画像は拾いもの。第二話より。如月が睦月に話しかける)
 
 第三話はもっとわかりやすいですね。
 
1.冒頭では如月は他の睦月型と話しておらず、夕張たちの輪に入ってはいるものの主に会話しているのは夕張と球磨。如月は聞き役ですね。入ってきた睦月に気づき駆け寄ります。
 このとき一方、吹雪は初対面の弥生・望月と挨拶して言葉を交わしています。
  

(画像は拾いものをくっつけたもの。第三話より。動画で見ると話しているのは夕張と球磨とわかる)
 
2.甘味処でも輪に入ろうとはせず遠目に見ているだけです。
 吹雪は第六駆逐隊、間宮・利根、北上・大井、愛宕、そしてこれまた“初対面の”高雄とまで話しています。あの大井っちですら、吹雪と会話して檄を飛ばしているというのに、如月は特に何も言いません。(言いに来たけど一足遅くて、空回りしたようにも見えますね)
 

(画像は(ry 一見良い雰囲気で見ている如月ですが、実は輪に入っていない)
 
3.早朝のストレッチ風景。第四水雷戦隊の輪には入っていますが、まぁ見た目としてはやはり一歩引いた位置で仲間を見ている様子が見受けられます。まぁ要するにボッチではないんですよ。ただ話していない。
 当然このときの吹雪は赤城や睦月と親睦を深めているわけですね。
 

(画(ry 如月のカットは一人だけというのが多いが、一人ぼっちというわけではないのがミスリードか?)
 
4.Aパートラスト。出撃前はクマは那珂と、タマは夕張をフォローするように話していますが、やはり如月は話さず睦月に話しかけれる側です。
 このとき吹雪は誰とも話していませんが、二人の様子を見て認識はしていますね。如月は睦月に話しかけられるまで、あまり周りを気にしている様子はありませんでした。まぁこのシーンは対比というにはちょっと強引か。
 

((ry 各キャラ同士の距離感に注目)
 
5.さて、戦闘です。ここが一番わかりやすい。
 戦闘中はよく見ると状況を表すカット以外…つまり如月の台詞があるようなカットでは他に誰も映ってないのが大半です。というか如月のカットは一話から見ても大体一人だけで映っており、せいぜい睦月が一緒にいるくらいなんですね。(あと先にあげた二話のシーンで夕立がいるくらい)
 また、吹雪は睦月に話しかけられる側ですが、ちゃんと吹雪が積極的に睦月を守るシーンが入ります。
 
(画像は……如月の絵が見つからない(´;ω;`))
 
6.爆撃について。
 吹雪は睦月を守りつつ、敵の爆撃を耐えきりました。
 しかし如月は睦月を守りにはいかず(いけず、ですが)、敵の爆撃に倒れます。
 
(如月の絵が(ry )

7.結末はもう明確です。
 吹雪は見事任務を完遂し帰還。みんなに拍手で迎えられます。
 しかし、如月が爆撃を受けたとき、周りには全く人がいません。そして誰にも気づかれないまま海の底へと沈んでいきます。
 

(光と影、陸と海、生と死)
 
番外.睦月と如月も対比が戦闘中に入ります。
 睦月に迫る艦載機を吹雪が叩き落とすというシーンがありますが、艦載機の視点で睦月の目にズームで寄るカットがあります。如月が爆撃を受けたシーンでも同じようにズームで如月の目に寄るシーンがありますね。ここにも艦載機にまつわる対比構造があるわけです。
 また、四水戦が魚雷で敵空母を倒して安心した次の瞬間、睦月は敵から爆撃を受けていますが至近弾で済んでいますね。如月は敵撤退後に安心して敵の奇襲を受けてしまいました。
 

(上段:睦月 下段:如月 同じようなカメラワーク)
 
 以上のことから、仲間と積極的にコミュニケーションを取った吹雪と、全く取らなかった如月。
 世話を焼かれる吹雪と、焼く側の如月の違い、という対比になります。
 加えて油断せず集中していた吹雪と、睦月を気にしてばっかで慢心気味な如月というのも大きな差と言えるでえしょう。その差が勝利と轟沈という明暗を分けたんですね。
 轟沈はキャラの死でもありますが、今回に限っては結果でしかないわけです。だから如月の轟沈はあっさりした描写になってるし、あっけない最期になった。
 
 如月がもう少し仲間と話してれば死にかけるシーンくらいはあったかもしれません。重ねて言いますが、別に如月がボッチというわけではありません。単純に他人――というか睦月のことを気にし過ぎて、自分のことを疎かにしただけなのです。
 第三話は主要キャラとそうでないキャラの扱いをうまく構図として利用した匠な一品である、というのが私の感想です。

 まぁ大半の人は嘲ることで冷静さを保とうとしているのかもしれませんね。二話までの雰囲気から変わったので戸惑っているんだと思います。生暖かい目で見守ることにしましょう。
 
 
 
 余談。
 吹雪と赤城のシーンのBGMが良かったよね。戦闘BGMもアレンジが多いみたいだから印象に残りやすいよね。
 あと足下をあまり映さなくなったから、水上スキーのシュールさは薄まったね。このへんは想像通り変えてきたな。PVだけで判断する気は最初からなかったから私は全然気にならんけどね。
 
 
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