GブレイカーのSpecNote

日々の雑記とメモ。スペックがわかるほど量を書いてませんがね。

東方鈴奈庵 第3巻感想

 第1巻感想:http://d.hatena.ne.jp/g-breaker/20130329#p2

 第2巻はまさに凄まじく忙しい時期だったので、書けませんでした。後で書こうかな。内容もあんまり覚えてない……と思うとなんかショックだ。
 

 
 限定版の小鈴フィギュア付を買いました。サイズ的には茨歌仙第三巻限定版の華扇ちゃんフィギュアと同じくらいですが、小鈴の方が髪の毛にボリュームがあり小物も豊富です。その分、値段も高め。
 個人的にはもうちょっと肌の色を明るめにしてほしかったかな。暗めの場所に置いた方が雰囲気出るかもしれません。あと、ちょっと小鈴の台座が小さすぎるのか、バランス取りが難しいです。もう一回り大きくしてほしかったですね。
 初代東方特典フィギュアの鈴仙とてゐはやっぱり小さいですねw 今回の三巻に登板しているので一緒に写真に入れてみました。ずっとケースに入れて飾ってあるんですが、さすがに色が薄くなってきたかも。
 
 買ってから気づきましたが通常版は月末発売なんですね。一緒に特典をもらおうとして恥ずかしいことになってしまいました。ええ、予約なんかしなくても限定版は買えるだろうなと思っていたので、まさか通常版にしか購入特典が付かないとは思ってもいませんでした。ブックカバーほしかったなぁ。
 
 コメディ色の茨歌仙に対し、伝奇・ミステリー色の強い鈴奈庵。しかし今回はこちらも人間と妖怪の関係が描かれた一冊なってます。
 七不思議のお話では、人間と河童の隠れた関係が描かれ、珍しく霊夢がフォローすることで小鈴が妖怪そのものに興味を持ち始めました。茨歌仙で河童のサバゲーによって里の人が迷惑するという話があったのでうまく対比するお話にもなっていますね。
 恋文の話では人間と幽霊(=元人間)が、寺子屋の話では人間の中に紛れ込んだ妖怪狐が描かれ、小鈴の中でも妖怪に対する認識の変化が表れ始めています。
 しかし、阿求はぴしゃりと言うわけです。
 
 幻想郷において妖怪は人間の敵。
 これはそういうルールなんだから疑ってはいけない真実なの。
 
 そんな中で次に起きたのが鼠騒動に対する鈴仙――つまり、妖怪から人間に対するアプローチのひとつが描かれていますね。まぁ永遠亭の人たちは特に特殊な連中なので、例外に近いのですが……もし小鈴が薬屋の正体を知ったらどう反応したのでしょうか?
 寺子屋の事件でもさり気なく慧音が描かれているのもポイントのひとつではあると思います。
 
 今までは小鈴は興味と自分本位で妖怪や妖魔本に手を出してきたわけですが、その妖魔本を書いた妖怪たちはどんな存在なのか。人間はどう接するのか、そして自分はどう考えるべきなのかを考え始めているので、彼女なりの変化というのが見て取れますね。
 
 さり気なく裏でキャラクターが持つテーマが繋がってシリーズ全体で一本のお話になっているのが、東方の特徴の一つ(特に最近は)だと思っているので、そういった人物背景のストーリー性を探っていくのが楽しみ方なのかもしれません。
 小鈴と読者の立場は結構似ていて、『東方鈴奈庵』自体が妖魔本なのかもしれませんね。(なんかうまいこと言った気がする)
 
  *
 
 さてここからは個人的な感想。
 
 私は鈴仙ファンなので彼女の登場が嬉しいです。鈴奈庵版は例に漏れず可愛く描かれていて満足。そして相変わらずなネーミングセンスに満足! 何気にゲスト出演が多いキャラクターで、エキストラ(モブ)出演も含めて年に一回はどこかしらに登場しているため、個人的には東方の最優秀助演女優は鈴仙だと思っていたり(笑)
 

(画像は拾い物)
 また出番があったら良いですね。鈴奈庵ではもう無いだろうけど。
 
 
 でも今回一番おもしろかったのは、やっぱ寺子屋の話かな。上でも触れたけど、小鈴の「悪意が無いなら退治しなくてもいいじゃん」って考えは好きです。

 そのうち狐であったことすら忘れて人間になるのかも知れない
 
 幻想郷という妖怪を救済するシステム上、人間と妖怪が仲良くなるのは禁止。人間が妖怪のことを知れば知るほど、妖怪という不思議な存在(へんてこなやつら)は輪郭が強調され、存在として危うくなってしまう。だからこそ鈴奈庵では阿求が、茨歌仙では霊夢が妖怪を妖怪として認識しなければならないと語る。
 だからこそ、この小鈴の考えを現した一文は稀有で儚さが感じられて好きです。
 
 恋文騒動で霊夢も少し丸くなったところが描かれ、鼠騒動でも魔理沙鈴仙をかばうところが描かれたり、阿求も小鈴を誉め讃えたりとなんだかみんな優しくなっているよね。私としてはやっぱりずっとピリピリしてる奴より、他人を思いやる一面が見える人に惹かれます。
 もちろん喧嘩っ早く、妖怪には頑として断罪する霊夢も大好きなんですけど、鈴奈庵では小鈴が持つ純粋な人柄が描かれているせいか、作風全体に柔らかい空気がありますね。少なくとも鈴奈庵という舞台では、春河もえ先生の人柄が脚本にも影響して現れているんだと思います。子供たちを見送る霊夢の優しい顔が印象的でした。
 ただ、そのせいか本来の霊夢の持つ気質とあわないのか、出番が少ないですね(^^;) 彼女はやっぱり敵を倒しまくるSTGの戦士ですからね。
 鈴奈庵の絵柄で霊夢の「妖怪死すべし」みたいなシーンがあったら怖すぎるかもしれないね。まぁそのへんは茨歌仙の方がうまく料理してるので、そっちに期待しましょう。こっちも月末発売ですね。
 
 以上、鈴奈庵第三巻の感想でした。どんな話になるのか次回が楽しみです。
 しばらく東方から離れていたのですが、やっぱりこうして感想書いていると面白いです。そろそろ戻りたいところです。輝針城終わってないし。……でもちょっと時間が無いんだよなぁ。東方ができないPCのある場所に行かなければならないので。とほほ

東方鈴奈庵 ~Forbidden Scrollery. (3) (角川コミックス)

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