GブレイカーのSpecNote

日々の雑記とメモ。スペックがわかるほど量を書いてませんがね。

ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ 第25話 感想

ちょっとグデグデ気味だったけど、ようやく話が動き出してきて久々にかなり満足のいった回なので感想を書いちゃいます。
今回のお話のテーマは「人間」でした。このシリーズの特徴として、群像劇である本作は例え視点が違っても話していることに統一感があるため、序盤で「今回のテーマ」を語ることがよくあります。今回はウィーバーの「人間は期待を裏切る」が答えでした。
未来のジョンの目的はスカイネットとの共存であり、そのテストケースとしてジェシーたちが独自の判断のみで、以前は敵であったT-888と共に任務を遂行できるのかということでした。可能であったという結果が生まれれば、お互いの信頼関係を結ぶための足がかりとなったのでしょう。そしてジョンの目的を知っているT-888は、知っているが故にクルーに説明することが出来ず、人間達の間の不信感や疑心暗鬼を煽ることになってしまい――結果、「人は期待を裏切る」という結論になってしまった。
この目的を達成するために、未来のジョンは危険であると言うことを承知で抵抗軍の基地に捕獲したターミネーターを配備し、少しでも人と機械の親和性を高めようという試みがあったのでしょう。
幼少期に子供であったからこそ、違和感無く機械と接することができたジョンにとって、難しくともできることなのだと信じていたのでしょうね。漫画版のT3でも語られていますが、サラ・コナーは敵は滅ぼすという考えからは脱せられませんでしたが、ジョン・コナーは違う道を選んだというお話と同じですね。ジョンはジョンだからこそ、違う方法を選んだということですね。
しかしそれは同時に周囲の人間へ不信感を与え、他人の中のジョン・コナーという人物像は、実際のジョン・コナーの人物像から次第に乖離して行き、結局誰からも理解されない状態に陥る。それでもジョンは自分の目的を達成するために機械と対話をすることを望んでいる。それを理解できない周囲の人々、ジェシーのように更に不信感を抱きジョンの本懐からは逸れるような行動を取り始めてしまう。完全に悪循環が出来上がっていますね。
それでもジョンは、他の人間が自分の意志で取ったを責めたりはしない。子供の頃からずっと言われ続けた自分の使命と、ジョン個人の目的ともギャップが生じ、板ばさみ状態。優しすぎて指揮官には向いてませんね。まぁその問題は人に話すことでしか解決しないぞと僕は思いますが。もっと人間同士で話し合えよということなんだと思います。もちろん、他人に言われたからやるということでは意味が無いし、なまじ実績を持つリーダーであるが故に「提案」=「命令」になってしまうから、彼の場合は結構デリケートな問題なのでしょうね。
ジェシーも結果として自分がT-888を信用し切れなかったことや、失ったものが大きかったことなど色々と不幸が重なっていますね(僕の勝手な推測ですが、自分が戦争を終わらせるチャンスを不意にしてしまったと内心では気付いていたんじゃないでしょうか)。もし最初からジョンの目的を知っていたら力になってくれたのかもしれませんね。兎にも角にもジェシーはこの事件を機に考え方が変わってしまい、デレクに「俺の知っているジェシーではない」と言われてしまう(これも「期待を裏切る」に相当するのかも)。ジョンを信じた人間と、信じなかった人間の差なのかもしれませんね。ジェシーからするとデレクが変わったように見えたのかもしれません。彼女が殺されたかどうかは不明です。その方が良いと思います。まぁ僕はジェシーがずっと嫌いでしたけど。この話がもうちょっと早ければ感触良くなったと思うんだけどなぁ(笑)。
キャメロンもスカイネットとの話が破談になったことをどう思ったのやら。「NO」と聞いたときの「やっぱダメかも」「どうしよう」みたいな顔はちょっと胸が痛くなりますね。彼女は、というかターミネーターたちは、ずっと嘘をついていなかったということも見え隠れする良いシーンでした。まぁつまり機械もほとんど人間レベルの意志を持ったと言うことなんだよね。
ちなみにさり気なく伏線を回収…というか設定が使われていますね。第一部のラストでクロマティがエリソンを撃たなかったのは、自身に対する脅威が無かったかららしいのですが、それは潜水艦の中のT-1001にも当てはまっていたという。箱が開いて起動した時に銃を向けられていたから、味方になるかもしれない人間を殺したと。だからその後は姿を現さず、人を殺すこともせずに様子見。T-888もその原理を知っていたから問題は無いとした。やはりコミニュケーション不足ですね。あと脚本うまいです。
今回はシリーズのファンとしてちょっとニヤリとするシーンがありましたね。液体金属型のターミネーターは極低温環境下では稼働できない。箱を開いたときに冷えた空気が出ていたり、金属が固まっていたりと、嬉しい表現です。
また、これは邪推かもしれませんがジェシー宅に乗り込んだ際のジョンのジャケットがT2のシュワちゃんのものと似ていましたね。ジョンの精神状態を表していて、戦う覚悟に満ちた、言ってみれば勝負服で挑んだということなのではないかなと思ったり。ていうか僕はそう思うことにします(笑)。こういう演出は憎いぜ畜生。
今回思ったことは、どうも僕は「悔しくて仕方ないけど恨み言を吐いたり仕返しはしないほど優しい人」に弱いようです。ガンダムUCのバナージの心情もたまらんかったしね。とても感情移入しやすい。いや、別に優しい人アピールじゃないですよ?(笑) こういうタイプの人は見ていると応援したくなるし、自分も頑張りたくなりますね。ジョンはこんな人間だからこそ、英雄になったんでしょう。
今回は色々と辛い話でもありましたが、デレクとの信頼関係は強化されたようにも見えます。そのデレクも次回はなんかピンチそうなので、おっかないんですが…。最終回も近いみたいだし。とりあえず何話か飛んでいたりするみたいなんで、最後までちゃんと放映してくれれば文句無いです。次回も楽しみ!