GブレイカーのSpecNote

日々の雑記とメモ。スペックがわかるほど量を書いてませんがね。

機動戦士ガンダムUC 第1話「ユニコーンの日」

映画館行ってみてきた。原作小説序盤を読んだところ、映像から入ったほうがとっつき易いかなと思い封印してきました。文庫も出たし、これを機に読んでみよう(というか文庫サイズで読みたかったから待ってたのもあるんだけどね)。
普通の少年が自分の無力さみたいなものを歯がゆく思いながら、それでも何か胸が熱くなるような衝動に突き動かされて行動すると、確執のあった父親からガンダムと共に運命を託されるお話――というのが僕の印象でした。
バナージの「世の中からズレている感じ」というのは最初、ただの中二病かと思いましたが、背景が分かってくると納得できる。一話の彼はともかく悔しさ、やるせなさ、無力感みたいなものが詰まっていた。だけど人を憎みきれない優しい部分と自分の将来が見えない未発達な子供の部分とのギャップから満足に文句や愚痴を吐き出すこともできない、もどかしさが伝わってきました。そんな中で戦争が起き、自分達の日常があっという間に壊れていくという混乱。すごくパワーを感じる内容でした。特に戦いで人が死ぬという生々しさが感じられて、マリーダのように見てるこちらも生理的な気持ち悪さや、吐き気に似た嫌悪感を味わえるという凄いフィルムだった(グロ画像があるわけでもないのに不快感が伝わってくるのは本当にすごい)。その果てにバナージは目の前で死んだ父親から戦うための力であり、選択することができる力の象徴であるガンダムを託され、敵対するクシャトリヤに叫ぶわけです。「ここから出て行け!」と。声に出したいけど何を言えば良いのかわからない、叫びたくなるバナージの気持ちがなんつーのかもうたまらんのです。きっとこれから望む望まないに関わらず、突き進まなければならないんだろうな、と予感させるお話でした。すごくおもしろかった。
宇宙世紀ものはいい加減、時代に合わないんじゃないかなと思っていたのですが、大人と、そしてガンダムの底力を感じさせる作品でした。今の不透明な時代に合うんじゃないだろうか。周りの環境がどうだろうと、あくまで少年のお話という割り切った部分がしっかり見えていたので、その辺りは好感触でした。まぁあんまり派手な内容ではありませんでしたけど、いくらでも解釈できそうな懐の深い作りなんじゃないかな。ハリウッド映画というよりは、昔からある日本の映画の雰囲気に近いのかな。セリフも記号的な部分はどうしてもあるけど、感傷的な言い方は極力避けている感触。一時間ということもあって調度良い密度感だった気もするし(でも原作ファンに言わせると多分足りないんだろうな)。まぁ白亜の機体が変形してガンダムになり、伝説の復活を目撃したかのように全員が注目する中、誰かがぽつりと「ガンダム――!」という、日本のロボットアニメお約束の演出もあるわけですが(笑)。そういうところを外してこないのが、逆に憎い演出だなと思いましたね。昨今の意図的情報過多によるジェットコースタームービーのような作りではなく、あまり無理の無い流れと雰囲気で流れるように話作りをしているのが好印象です。あと意外だったのが、安彦キャラってかわいいなということでした(笑)。今更ながら新しい発見。キャラクターは全体的に表情が良かったですね。ときどき漫画みたいな汗の表現とかが出てきて、リアルな作風とのギャップ生まれなんとなく可笑しかったです。
二話は今年の秋と凄まじく先ですが、期待できますね。安いし、もう一回見てこようかな。ブルーレイ買ったけどデッキ無いし(人からもらえる予定だったんだけど、諸事情で延期に…)。ところで私にしては珍しく、メカ描写に目が行って無い感想ですね。まぁガンダムOVAならそこら辺は安心だろうってのがあったし、雑誌などでそこは良くチェックしていたからね。その分、人物に集中して注目できたのは良い経験だったかも。それとオードリーについて触れてませんね。可愛かったし魅力的だったんですけど、実はあの人なので今はまだ話すことがあまり思いつかないです。まぁ彼女については追々ということで(^^;)。