GブレイカーのSpecNote

日々の雑記とメモ。スペックがわかるほど量を書いてませんがね。

劇場版ドラゴンボールZ 神と神

 画像はKFCのフェアでもらってきたやつ。映画見終わった後友達と一緒に行ってきた。「ブルマ引いたら外れだよなw」とか言ってたら、一発で引いた私であった。悔しかったのでもう一回やったらベジータだった。一番欲しかったのでうれしかった。夫婦セットになった(^^
 悟空はダブったらしい友達からもらった。何気に良い状態だなコレ。
 
 おもしろかった。久々だったから不安だったけど、これぞ鳥山明というようなテンポと構成だった。うまい掴み、適度なヌルさ、シュールなギャグ、感情の溜めこみと引き込みによって高まる感情移入、そして待ちに待った怒涛の超バトル!
 これぞドラゴンボールと言うべき作品がそこにあった。
 
 正直に言うと、久しぶりの新作だし、鳥山明もやる気はあまりないだろうと思っていたし、実写版が酷いし、私も年取ったから付いていけるか不安だし、となんか変に緊張していた。
 
 杞憂だった。キャラも多いから割を食うやつがいるのか、それとも無駄な尺を使うのかといった不安も特に気にならない。というか、まぁ今更ヤムチャ天津飯を掘り下げられてもなと思うから、喋ってくれただけでもちょうど良い。っていうか、こいつらはいつもこんな感じだ。無駄にボコられるだけよりずっとマシ……いや、ボコられてたか、今回も。
 
 新キャラのビルスのキャラもちゃんと描かれていて、あの世界の適度にいい加減で、たまにカッコいい神様らしい神様だった。フリーザみたいな圧倒的な悪者って感じではなかったのが、意外とポイント高い。これは中の人が山ちゃんで正解だったと思う。あまり不安にはならないんだけど、これどうやって勝つんだよって感じさせる不思議なキャラクターだった。見ているとその内サブタイトルの意味が分かるが、悟空に似たキャラだったのかもしれないと思う。悟空もある意味で、もはや神様みたいなやつなのだという。
 対比関係が上手だね。このへんは見事だと思う。
 
 個人的に気に入ってるのはベジータが四苦八苦してたところ。完全にキャラがぶっ壊れていたが、「おまえがナンバーワンだ」と言ってしまったベジータは肩の力が抜けたんだろうな。人間味があふれる良い男になってたと思う。なんか意外と中間管理職とか似合うんじゃないだろうかと思った(笑)。
 ブルマが殴られたところでブチ切れたのも家族を大事にする彼らしく、ヤケクソも混じってはいたが、個人的には今作のベストシーンに選びたい。あのベジータの感情とストレスが爆発して一瞬だが悟空を超えてビルスを捉えたところは見ていて気持ち良かった。案の定負けたけど。
 
 ストーリー展開としては終盤以外は基本ヌルめで、超サイヤ人ゴッドもあんまり苦労せずしてなっていたし、ビルスは掴みどころがないしでモヤモヤ感がすごかった。悟空の感情と見ている私の感情が次第にシンクロしていき「こうじゃねぇんだ! こういう戦いが見たいわけじゃねぇんだ!」という気持ちがどんどん高まっていく。
 それだけに、悟空が超サイヤ人ゴッドを捨て、超サイヤ人になり、髪の色が赤から金に変わった瞬間の気分は最高潮! 挿入歌と共に、溜めに溜めこんだ感情の爆発が、これぞドラゴンボールバトルの真骨頂とでもいうパワフルでスピーディな戦いが繰り広げれ……あー!もうサイコー!!
 
 最後は、まだまだこの世界には強い奴はたくさんいるんだ、という広がりを見せたところで終わったのは少し感動した。どこかいつも終わりたがっていた雰囲気を放っていたドラゴンボールは十年以上の時を超えて、ようやくその境地にたどり着いて昇華されたのだと感じた。ドラゴンボールZの主題歌が使われたのも良かった。作品に対する愛情を感じる。おもしろかったよ。
 
 
 
 さて、褒めちぎったのでお約束のツッコミを入れていこう。
 
 ピラフ一味は結局なんだったんだろうかと思うが、まさかここにきてマイの掘り下げを行うとか、どんな判断だ(笑)。あれか、一応ラブコメ要素的な部分か。まぁ完全にコメだけだった気がするけどな。ピッコロの古臭い考えも微妙におもしろかった。
 でもドラゴンボールいつ使ったんだよ。基本ブルマが管理してるんだろ? 個人的には初期キャラの中では頭身が高めで美人のお姉さんだったマイが好きだったのに。まぁオバチャンになったのも見たくないけどさ(笑)。
 あ、忍者のあいつはソバじゃなくてシュウでした。
 あと、餃子いたらしいんだけど、どこにいた? 存在感なさすぎだぞ。ウーロンの方がよっぽど目立ってたぞ。
 あと悟飯の扱いが酷いw 酔っぱらってグレートサイヤマンとして暴れたり、妊娠までさせてるのに未だに「ビーデルさん」とか、いきなり道着になってカッコよく戦ってくれるかと思いきや瞬殺だし――もうちょっと前座としてはカッコ良かったと思うんですけどねェ。
 ゴテンクスは……まぁいいか。超サイヤ人3にすらなってないし。いちおうブウより強いはずなんだけどな。ぶっちゃけ悟飯の次くらいの実力の持ち主なんだが。
 ビルスが完全な悪役じゃなかったせいで、最後はぶっ飛ばして勝つ!ってならなかったから、どこかスカッとしなかったな。微妙にそこが不満。この世界は第七宇宙だ、とか言い出した時はラッキーマンか!と思った。そういや、同じ時代の漫画だったな。
 それとやっぱり影山さんの歌の方が良い。FLOWも悪くないし嫌いじゃないけど、なんか軽い。
 
 
 
 次はちょっと昔のことも思い出しつつ、まじめな感想。
 
 ドラゴンボールZというとサイヤ人編から魔人ブウ編までの雰囲気を思い出し、特に人造人間編のシリアスでハードな展開が印象強いから、それを期待すると拍子抜けかもしれない。
 でもドラゴンボール本来の雰囲気は、ピッコロ大魔王編までのどこか間の抜けた雰囲気に、人情的な要素が入り、そこにアクションが加わったもの(そしてどこかドライであっさりしたところ)だと思っている。魔人ブウ編では久しぶりにそれが戻ってきていて、それまでの人造人間編のシリアス路線と完全なバトル路線を融合させた、ドラゴンボールらしい話だったと思う。
 私はもちろん全編通して好きなので、どこのパートが一番!という考えはないが、魔人ブウ編は結構気に入っていたりする。
 今回の映画も人造人間編――というかセル編というよりは、ブウ編の雰囲気に近い。まぁ作中の時代も近いしね。だからこの路線はむしろ歓迎。
 ベジータはお約束としても、ブルマやピラフが目立ってたのはその原点回帰路線なのかなぁと思いつつも、さらに世界観に広がりを感じさせる作りだったと思う。
 
 ゴチャゴチャ言ったが要するに、おもしろかったのだ。とにかくおもしろい。何も考えずに見れて気づいたら引き込まれてる。この圧倒的なパワーがドラゴンボールの魅力であり、ジャンプ漫画――いや、少年漫画特有の「勢い」だと思う。
 
 できれば興行的に成功してほしい。そしてまた映画やってほしい。そう期待できるくらいに素晴らしい映画であった。